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債権回収会社(サービサー)とは?取立てはきつい?銀行との違いなど

不良債権を扱う債権回収会社(サービサー)のイメージ

借金を延滞すると銀行から〇〇債権回収会社へ債権を譲渡(じょうと)しました

という手紙が届くときがあります。

黒めがね

「債権譲渡通知書」です

「債権」を「譲渡」したといわれても一般の人にはなじみのない言葉でピンとこないですよね。

いったい

黒めがね

「債権回収会社」とはどういう会社なのでしょう?

詐欺だったり危ない会社だったりしない?

と心配されていないでしょうか。

今回は「債権回収会社」についてその実態や事業内容についてくわしく解説していきます。

もしあなたが「債権譲渡通知書」を受けとったなら借金を解決するチャンスかもしれません

私は20年近く金融・不動産を専門に仕事をしてきて不良債権への投資をたくさんおこなってきました

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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目次

債権回収会社(サービサー)とは?

設立経緯

債権回収会社とは1998年に施行された「債権管理回収業に関する特別措置法」にもとづいて

黒めがね

法務大臣の許可を得た民間企業です

当時銀行はバブル崩壊によって大量にかかえた不良債権を処理できずにいました。

しかし当時貸主以外で債権を回収をしてもいいのは弁護士だけでした。

不良債権の処理を加速させるためには弁護士だけでは足りないと感じた当時の政府は、

同法をつくり民間企業が債権(借金を返してもらえる権利)を銀行から買い取ったり(譲り受け)

回収業務を受託できるようにしました。

同法の略称はサービサー法とも呼ばれ

黒めがね

債権回収会社=サービサー

と呼ばれています。

サービスという意味ではなく(サービシング=返済金の回収)という意味があるそうです。

設立要件

債権回収を弁護士以外の民間企業がおこなえるようになると

あやしい会社が乱立する可能性があります。

法務省はサービサーの設立要件を厳しくもうけています。具体的には

などの要件をもうけています。

母体

2022年4月時点で法務大臣の許可をうけたサービサーは70社以上あります。

それぞれサービサーには特徴があり

銀行系のサービサー、不動産系のサービサー、貸金業者系のサービサー、独立系のサービサーなどがあります。

債権譲渡通知書【あやしい会社との見分け方】

あやしい会社との見分け方

債権をサービサーへ売却(譲渡)した銀行は

債務者に対し譲渡したことを通知する必要があります。

「債権譲渡通知書」を受けとった債務者は

借金に身に覚えがあればすぐ内容に気づくと思います。

前述のとおりサービサーはあやしい会社ではなく法務大臣の許可をうけた会社です。

極端に風評を気にする銀行があやしい会社に債権譲渡することはまずありません。

しかし借金を忘れている債務者が「債権譲渡通知書」を受けとった場合

詐欺などを疑うかもしれません。

実際にサービサーをマネた詐欺はたくさん存在します。

「債権譲渡通知書」がサービサーへ譲渡されたものなのか確認する方法として

といったことをしてみてください。

ただしあやしい会社は

実在するサービサーと勘違いするような社名を名乗ることが多いので

確認は念入りにしてください。

債権回収会社ができること

債権買取

サービサーの本業は銀行などから債権を買い取る(譲り受ける)ことです。

銀行は不良債権が発生した場合

実際に回収ができないとわかっていても債務を免除することはしません。

あくまでも全額返済を主張します。

しかしサービサーの買取価格には蓋然性(がいぜんせい)(確かな見込みがあること)があるため

サービサーの買取価格をもって債権譲渡し

不足した部分(回収できなかった債権)を銀行は償却することができます。

回収受託

最近の銀行業界は人員削減傾向にあります。

デジタル化による窓口の縮小や地方銀行同士の合併などはたくさん聞かれます。

また最近の銀行員には回収のノウハウが失われている状況にあります。

よって銀行は回収行為をサービサーへ委託してサービサーに手数料を払う傾向にあります。

不良債権投資

サービサーの債権買取は入札方式でおこなわれます。

まとまった件数の不良債権を銀行はバルクセール(まとめ売り)します。

複数のサービサーが入札に参加し

一番高値をつけたサービサーが債権を買い取る(譲り受ける)ことになります。

サービサーの買取価格は不良債権のデューデリジェンス(法人、個人の財務状況や担保不動産を調査すること)をおこない

妥当な金額=回収できる金額で入札します

ただ回収できる金額の上限一杯で買い取ってしまうと

サービサーの利益がなくなってしまいます。

なので上限より低い金額で入札し回収できた金額との差額がサービサーの利益になります。

このような不良債権への投資がサービサーの主たる事業になります。

債権回収会社の活用

債務者のメリット【債務免除】

銀行は実際に回収できなくても債務者に対し全額請求しますが、

サービサーはデューデリジェンスして債権を買い取りますので

その債務者に見合っただけの回収をおこない利益をだします。

つまり全額回収できなくても利益を生み出すことができ

回収できなかった残金は放棄することが可能なのです。

冒頭で説明した通り「債権譲渡通知書」を受けとった債務者にとって

返済不可能だった借金が一部を返済することによって債務免除される可能性があるということです

事業再生

前述の債務免除は事業再生にも活用されることがあります。

倒産の危機におちいった企業の中には倒産させるわけにはいかない大企業もいます。

大企業は国などの支援のもとで再生する場合があります。

黒めがね

某航空会社などが思い付くと思います

某航空会社はサービサーを活用したわけではありませんが

債務を免除することによって事業再生が可能になりました。

さいきんではコロナを理由に融資を受けた企業がたくさんいます。

潜在的には不良債権が大量に滞留(たいりゅう)している状態にあります

業況回復できる企業はほんの一握りで実際は

期限をむかえても返済できない企業がたくさんでてくるはずです。

そういった将来をふまえ国は

サービサーを活用した中小企業の事業再生ガイドラインを作成している段階のようです。

まとめ

「債権譲渡通知書」を受け取ったら

まずは身に覚えがある借金かどうかを思い出してください。

次に債権を譲り受けた会社がまっとうなサービサーかどうかを確認してください。

そして厳しい回収に不安を抱くのではなく

サービサーに譲渡されたことをチャンスだと思ってください

もし直接サービサーと交渉することが不安なら

弁護士などの専門家に相談してみてください。

あなたの現在の状況に合わせて和解に結び付けてくれるかもしれません。

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