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不動産の簡易な机上査定方法【②建物編】初心者へわかりやすく解説

不動産査定のイメージ

不動産が安いのか高いのかを判断するためには正しい査定知識が必要です。

前回は積算評価のうち土地評価について書きました。

今回の記事では建物評価についてわかりやすく書いていきたいと思います。

もしあなたが継続して不動産投資をしていくつもりなら

正しい査定知識を身につけてください。

また自宅の購入や売却を考えているあなたも

売出価格やローン審査にとらわれずあなた自身で正しい査定をしてください。

黒めがね

モチはモチ屋ではありません

銀行や不動産業者にまかせずあなたの身はあなたが守るのです。

僕は20年近く不動産・金融業界で仕事をしてきて2,000件以上の不動産を査定してきました

ぜひ参考にしてみてください。

(僕は不動産鑑定士ではありませんので鑑定評価基準にそった査定方法ではありません。ただ個人で行う不動産投資や自宅購入/売却時において鑑定士ほどの知識は必要ありません。)

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不動産の簡易な机上査定方法【①土地編】初心者へわかりやすく解説不動産で失敗しないためには、売出価格やローン審査に関係なくあなた自身が査定知識を身につける必要があります。簡単な査定方法を解説していきます。...

目次

簡易な机上査定方法【建物編】

日本の建物に対する評価

日本の不動産は土地評価にくらべ建物評価はあまり重要視されない傾向にあります。

その理由は日本に木造建物が多いことに起因します。

のちほど説明しますが木造建物の耐用年数は20~25年で償却します。

つまり20年~25年後には建物価値はほぼ無くなるということ。

(住めなくなるという意味ではありません)

さらに高度成長期の土地神話(土地は持っていれば必ず価格があがるという風潮)も

理由のひとつだと思います。

ただ最近は建物評価が見直されはじめており

リフォームしたときはリフォーム分の価値増加が認められるようになってきています。

原価法

建物査定のイメージ

建物の査定は原価(げんか)法という手法を使います。

原価法とは査定時点における建物の再調達原価を求め

この再調達原価について減価修正をおこなって価格を求める手法。

もっと簡単にいうと

査定対象と同じ建物をいま新築したらいくらになるかを想定し

経過した年数分を減価して現在の価値になおすということ。

具体的な式にすると

現在価値=建築単価×床面積×(残存年数÷耐用年数)×(1-観察減価)

となります。

以下各項目について説明していきます。

(ちなみに耐用年数を過ぎても価値0円とせず何割か価値を残す手法や、

建物を ”主体” と ”付帯設備” にわけて査定する手法がありますが、

計算がやや複雑になるため今回は省略します。)

建築単価

建築費は市況によって変動します。

分譲マンションの竣工のタイミングも建築資材の相場によって左右されますよね。

相場の目安になるものとして

法務局の「新築建物課税標準価格認定基準表」があります。

建物を新築登記すると課税されますがこの表は税額を算定する基礎となるものです。

なので前回の土地評価で説明した「地価公示、路線価」と同じく実勢価格とは異なります。

各法務局によって価格は異なりますが

“新築建物課税標準” “東京” などで検索してみれば

すぐに見つけることができます。

たとえば平成30年度の東京法務局管内の木造住宅(居宅)の場合の課税標準は

単価9.5万円/㎡(31.4万円/坪)になります。いっぽう

木造住宅の実勢単価はだいたい50万円/坪といわれています。(市況によって変動します)

しかし実際に住宅メーカーに注文した場合は50万円/坪以上になることがほとんどです。

とうぜんですが

建築業者の利益がプラスされているからです

耐用年数

耐用年数とは利用に耐えうる年数という意味ですが

耐用年数にはいくつか種類があります。

もっとも一般的で目安になるものは税法上の法定耐用年数になります。

木造は20年~25年といいましたがこれは法定耐用年数を目安にしています。

法定耐用年数はあくまでも法律で定められたものであり

20年~25年で利用できなくなるわけではありません。

ただ金融機関では20年以上経過した木造住宅は0円でローン審査しているのが実態です。

ちなみに東京主税局の耐用年数表をみてみると

木造住宅は22年、木骨モルタル造住宅は20年となっています。

観察減価

建物の減価額を求める手法の一つです。

対象不動産の維持管理の状況、補修の状況などを

調査することによって減価額を求めます。

耐用年数にもとづく手法は経過年数による劣化に対する減価になりますが

経年劣化以上の減価要因が調査してみつかれば観察減価をおこないます。

「耐用年数にもとづく手法」と「観察減価」の2つの手法を併用することで

両手法を相互に補完することができます。

査定例

黒めがね

実際に建物価格を算出してみます

とします。

注文住宅にくらべて建売住宅は建築費をおさえていると仮定して建築単価は45万円/坪。

耐用年数は25年。

内装劣化による観察減価は10%とします。

以下、式になおすと

建築単価45万円/坪×床面面積45.37坪×(残存年数15年÷耐用年数25年)×(1-観察減価10%)

となり、

対象建物の新築価格は2,040万円。

現在の価格は1,100万円になります。

まとめ

前回の土地価格が3,900万円だったので

今回の建物価格1,100万円とあわせた5,000万円が積算評価となります。

気になっている物件があればぜひ積算評価をためしてみてください。

流通性のある地域の物件であればおそらく

売出価格が高いことに気づくのではないでしょうか。

総額は予算の範囲内だったとしても土地価格が相場よりも異常に高い

といったことにも気づけると思います。

そういった物件は購入を控えたほうが無難です。

あるていどの値下げ交渉(指値)はできると思いますが、

ネットに出回っている高額物件をつかむのではなく

人から人に流れる情報をつかめるように

常にアンテナをはるように意識してみてください。

懇親会やセミナーなどに参加するのもいいかもしれませんね。

個人ブログですのでセミナーなどはやっていませんが

不動産査定の依頼をお受けしています。

不動産に関連した士業(不動産鑑定士・公認会計士・税理士など)のかたを紹介することもできます。

お気軽にお問い合わせフォームでご相談ください。

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