こんにちは!”黒めがね”です
前の記事で不動産ブローカーといわれる人たちのことについて少しふれました。
彼らの中には勤務先や自分の会社をもたず
情報だけで不動産取引を成立させることができる優秀な人もいます。
しかし調子のいい口調でもうけ話をもってくるものの
まったく信用できない人もたくさんいます。
彼らは一体どういった人たちなの?
これから彼らが信用できるかどうかを見極めるポイントを説明します。
とても簡単です。僕の体験談もあわせて書いていきますね。
目次
不動産ブローカーとは何者なのか?【ブローカーにはポジションがある】
信用できるブローカーかどうかはもってくる情報に対して
彼らがどのポジションに位置しているか
を見わければOKです。
不動産仲介業は売り主側と買い主側にわかれますよね
(両方を一社が行うことを両手といいます)
売り主側の仲介業者を元付け(物元)とよんだり、
買い主側の仲介業者を客付けとよんだりします。
売買のときは土地や建物の所有者と直接媒介契約をむすんでいる業者
賃貸のときはアパートやマンションの所有者から賃貸募集の依頼をうけて情報をだしている業者のことを元付けといいます。
逆に元付けの情報をお客に紹介し最終的に契約を成立させる業者を客付けといいます。
信用できるブローカーかどうかは
元付けと客付けどちらのブローカーが信用できるのか
これは間違いなく元付けです
元付けの情報一つに対して客付けがたくさんぶら下がっています。
その客付けのうちの一人から得た情報を信用して購入意思をしめしたところで、
ほかの客付けが見つけてきたお客と取引が成立してしまえばその話は終わり。
買える商品(不動産)だと思っていたらもうすでに売れてしまっている。
いってしまえば客付けブローカーから
ハシゴをはずされた
ような状態です。
部屋を借りるために不動産賃貸会社へ行ったことがありますか?
そのとき候補にあげた部屋について担当者がどこかに電話しているのを見たことがありませんか?
あれは元付けにまだ部屋が残っているかどうか確認をとっているんです。
すでにほかの客付けがお客を見つけて取引成立してしまえばその話は終わりです。
”あんこ”とは?
先ほど元付けの情報一つに対して客付けがたくさんぶら下がっていると書きました。
不動産の価格が大きくなるほど元付け一社、客付け一社といった単純なものではなく、
一つの不動産に対して多くの仲介業者がからんできます
仲介手数料は売買価格の3%が基本です。
元付けと客付けがそれぞれ売主と買主から3%もらうのが通常ですが、
売買価格が大きくなると3社、4社でわけたとしてもけっこうな額の仲介手数料が発生するからです。
一つの不動産に対して複数の仲介業者がからんでくることを”あんこ”といいます。
どういった場合にあんこの状態になるの?
まずA社が所有者(売主)と媒介契約を締結します。
A社は自社で購入見込み客をもっていないため知り合いの業者B社へ情報を流します。
B社がお客を見つけてきて取引が成立すれば元付け一社、客付け一社の単純な取引です。
しかしB社も自社で購入見込み客をもっていない場合、
B社経由で同じ不動産の情報が流れることになります。
そしてB社経由の情報で客付けC社が買主を見つけてきて取引が成立すると
3社の仲介業者がからむことになります。
売主3%と買主3%の合計6%の仲介手数料を3社で分けることになります。
しかしC社はA社の存在を知らずにB社が元付けと思っている可能性がありますから
取り分でもめることも多いです。
不動産ブローカーとの会話【体験談】
僕の体験を書いていきます
ある日僕は知人の不動産鑑定士と食事をする約束をしました。
鑑定士は「食事の前に事務所に寄ってほしい」と言ってきました。
なんでも「ブローカーが案件をもってくるので一緒に話を聞いてほしい」というので
僕は鑑定士の事務所に立ちよりました。
そして僕と鑑定士でブローカーの話を聞きます。まずは名刺交換。
ブローカーは大手不動産保有会社(上場会社)の名刺を手わたしてきましたが
いまは別の会社に所属しているとのこと。
(この時点であやし過ぎますよね。なぜ所属していない会社の名刺をだすのか・・)
そして案件の説明です。5物件ほどの話をもってきました。
どれも億単位の物件で値段は相場よりも高め。
ブローカーの話では全て債権者(銀行)からの情報で
必ず売り物になるから客付けしてほしいという内容でした。
しかし登記簿謄本をみると5物件の債権者はすべて別の銀行ですし
まとめて5物件が売り物だという理由がまったくみえてきません。
不動産を担保にとっている債権者からの情報となると
債務者(所有者)が返済困難な状態で不動産を売らざるを得ない状況のはず。
同一債権者⇔債務者の5物件なら話の筋はとおりますが
5物件全て所有者は別ですし担保設定がない(借入がない)物件まであります。
僕は
話がみえないけど結局入口はどこ?
(物元は誰?という意味)と聞きました。
ブローカーは
お客がついたら黒めがねさんに飛び込んでほしい
と言ってきました。
つまりこのブローカーは
ことになります。
お客がついたら所有者関係筋に飛び込んでくれというのです。
話の途中で鑑定士が見切りをつけブローカーにはお帰りいただきました。
(鑑定士は最初からこのブローカーを信用しておらず話をぶった切るために僕を呼んだみたいです)
結局このブローカーは売り物ですらない物件を適当にもってきて
高めの価格で情報を流し購入希望者をみつけたいのです。
「高い金額で買いたいお客がいる」と所有者関係筋に話を持ちこめば
取引が成立すると考えたのでしょう。
まとめ
このように世の中あやしいブローカーというのはたくさんいるわけです。
そういう人物に出会ってしまったときの対処法をまとめると
- ブローカーのポジション(元付け、客付けどっちよりなのか)を確認する
- 何社がその案件にかかわっているのか(あんこなのか)を確認する
そして信用できない情報ばかりもってくるブローカーとはあまりかかわらないようにしましょう。
以前不動産は情報が命だと書きましたが信用できないブローカーからの情報は命に値しません。
信用できるブローカーは物元のポジションが一番強いということをしっかり理解し情報元を選んでいます。
所有者や所有者の縁故(血縁、姻戚など。人と人との特別なつながり。)
債権者、弁護士などしっかり物元に近い人たちから情報を入手しています。
セミナーや懇親会などに参加してみて色んな人の話を聞いてみてください。
そしてさりげなく上記の対処法で話を聞きだしてみてください。
なれてくると信用できないブローカーはすぐに見ぬけます。
(コイツなに言ってんだろう?って感じです)
個人ブログですのでセミナーなどはやっていませんが
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